白背景でガンダム撮影!聞くだけで身震いするような、まさに白い悪魔のような条件の撮影です。
何にも考えないと、ま、大体こうなります。
ですが、あるコンパクトデジカメなら
こうできます
実は同じカメラ、同じ簡易スタジオで撮影したものです。カメラはコンパクトデジカメ一台で撮影したもので、外付けストロボは使用していません。
からぱたさんが詳細に白背景撮影の難しさを書かれています。
プラモデル撮影の鬼門。なぜ自宅での「白バック撮影」は難しいのか!?
それを踏まえた上で、カメラの機種限定など条件はいくつかあるのですが、コンパクトデジカメ一台のみで、上のような画像を撮影する方法をご紹介します。
私も本格的に撮影する場合はこんな感じの機材を使います。
こんなに揃えられないわい!という向きに以下の記事をどうぞ
まず、この撮影のために簡易撮影ブースを作ります。肝は「中が全て白い事」&「背景に紙の継ぎ目が無い」です。
百円ショップで買った模造紙とその辺にあった段ボール箱で作りました、製作費300円位。
でっきるかな、でっきるかな、はてさてふむーーー
今回、横に広い撮影ブースにします。ガンダム系とかフィギュア系だと縦長の方がいいかもしれませんね。まず、側壁部分に白い模造紙を貼ります。
その後で上下の模造紙を貼ります。ポイントは横から見たとき、下部だけでなく上部側も円弧を描いておく事です。コンパクトデジカメ一台で完結させるにはこの形状が望ましいです。
使うカメラはソニーのRX100、2012年発売開始で未だに現役で売られているレジェンドと言ってよいカメラです。
現在RX100M7まで出ていますが、初代RX100なら中古で2万円位から売られています。
このRX100の内蔵ストロボを使用して撮影します。
普通ストロボを使って撮るとなるとこうですね。カメラの上に飛び出ているのがストロボです。ストロボで普通に撮るとこうなります。
全体にのっぺりするする上に砲身の影もでてしまいますね。なので、こうします。
分かりますか?指でストロボを持ち上げています。RX100シリーズは最大で上向き90度までこのストロボの角度を変える事ができるんですね。
撮影するときにストロボを指で上向きにして撮影ブースの天井に光を反射させます。一応手でストロボを上に上げるのは自己責任になります。私は5年使って壊れたことないですが(笑)。このストロボの反射光を使う事をカメラ専門用語で「バウンス」と言います。結婚式の披露宴でカメラマンがでっかいストロボを上に向けて撮ってるのを見た事ありませんか?あれがバウンスです。
俯瞰で撮る場合、完全に上に向けるというよりは斜め位の方が良い事が多いです。撮影ブースの上側も円弧を描くように紙を貼っていたのはこの為です。
ストロボの角度を変えて最適な角度を探します。模型のストロボ撮影の時には「影をどう作るか」を意識するとディテールの分かりやすい写真になります。具体的には手前側に影ができる半逆光バウンス(奥斜め上で光を反射させる)がおすすめです。
これはまだ下過ぎ。
これ位と思ったらストロボの発光量とカメラの露出補正で明るさを調整します。
どん!
これ位なら白も綺麗に飛んで良い感じでしょう。
もちろん、難点もありまして、ストロボから反射する紙までの間に模型を置いてはいけないんですね、模型の方が明るくなり背景の白が飛ばない写真になります。つまり、模型、カメラ、反射させる紙の位置関係の条件はかなり限定され、下からよりは上からの撮影との相性が良く、背が高いよりは背の低い模型との相性が良いです。
では下からだとどうなるかと言いますと、1/144のガンダム位の高さの模型の場合、模型にストロボの光を直接当てないとなると、ストロボを完全に上に向けるので、カメラも撮影ブース内に入れての撮影になります。補正を前提としない撮影の場合はどうしても頭部などの輪郭がはっきりしなくなります。
カメラ単体でバウンス撮影ができるカメラというのは限られていて、私の知る限りRX100シリーズのみです。実はヨドバシカメラの店員さんにも聞いたことがあるんですが、「ストロボを上にできるのはソニー非公認だが多分ソニーはわかってこの設計にしてる」との事でした、確かにソニーの説明員にこの話しても「やめてください!」とか言われなかったな(笑)
また、RX100シリーズのRX100M3以降の機種だともっと罰当たりな方法があります。私がもう一台持っているRX100シリーズのRX100M6を例にします。
こうやってバウンス状態固定にしちゃう時もあります。バウンスしつつ、右手で露出補正から絞り調整から全部やっちゃえるというズボラ仕様。左手が空きますから、模型を持ちながらバウンス撮影できます。ストロボをセッティングするのが面倒な時は外部ストロボがあったとしてもRX100シリーズでこの撮り方をします。
どうやって固定しているかと言いますと
消しゴムを半分に切ったものとその辺の紙(笑)
RX100シリーズと半逆光バウンスで白い悪魔を倒してみよう!