私は宝塚歌劇ファンでもあるので、youtubeで元タカラジェンヌさんの動画を見たりします。
今回はタカラジェンヌさんに限らずメイクと模型塗装は近いという事をお伝えします。
個人的にファンでもあるのが、はいだしょうこさんです。
圧倒的歌唱力、美貌、穏やかな性格を持ちながら、「恐怖の画力」の「画伯」(笑)で、そのギャップも素晴らしいです。
もちろん、タカラジェンヌというのは舞台上での強力な照明を浴びても負けないメイクで一般的なメイクとは異なりますが、模型の仕上げの参考になります。
特にコントラストの付け方や色相の操り方などが参考になります。
完成したT-64BMの仕上げを例にしてみます。
いわゆるすっぴん状態ですね。この状態にプライマー入りのサーフェイサーを塗装します。メイクで言えばドーランやファンデーションに当たる工程ですね。
サーフェイサー塗装とは何ぞやという事になると喧々諤々になりますから、今回は触れません。細かな傷を埋める役割、金属パーツのメタルプライマーの役割、透け止めの役割、全てです。
この段階で車体下部などは塗装してあります。
デジタル迷彩はマスキングがものすごく大変だったので、これはこれで良いと思いますが(笑)。
これを基本に仕上げをしていきます。
まずはスモークグレーでシャドウを入れます、スモークグレーはある程度は透けるのがポイントです。
0.2㎜ノズルのエアブラシを使用します。シャドウやハイライトをある程度ランダムにしたい場合は、模型の方向や距離を動かしてワンパターンにならないように注意します。
次にスモークグレーにカーボンブラックマットを混ぜます。カーボンブラックマットを混ぜる事で透けにくいグレーになります。ここでのポイントはブラックは使わない事です。ブラックを使ってしまうとのちのブラックのウォッシングでの効果が薄れます。
エアブラシでのシャドウが終わったところ
かなり微妙ですが、これくらいでOKです。
次にハイライトを入れます
ハイライトは基本色にホワイトを混ぜて明度を上げたものですが、実はちょっと落とし穴があって、ホワイトを混ぜると明度は上がりますが、彩度が下がります。彩度を上げたい場合の方法は後に説明します
ハイライト1回目を入れました。
次に先ほどのハイライト色に蛍光色を混ぜて彩度を上げます。蛍光色の効果は高いので、5%程度で十分です。
更にウォッシングのふき取りに備えグロスのクリアーを全体に吹いておきます。グロスにしておいた方が拭き取りやすくなります
タミヤのスミ入れ用塗料を全体に塗ります。適当でOK
エナメル溶剤を含ませた綿棒で拭き取ります。
明暗がかなりつきましたね。この後、デカールを貼ってつや消しクリアーを塗装します。
サンドとかあれこれ名前はついてますが、この名前は参考程度で白とか黒とかと考えます。ご存じかもしれませんが、このウェザリングマスターというの元々化粧品です。
参考までに化粧品などを大量に扱っている店に行ったことがありますが、少量小分けになっているタイプのものは「何が何でも」レベルで、ラメが入っているので模型にはちょっと使いどころが難しい印象でした。
あと右にあるチップは正真正銘メイク用の道具。
足回りを中心にサンド系のウェザリングマスターでウェザリングを入れます。1色では単調になるので3色以上をランダムに使用します。
上面にも軽くウェザリングを行います。
これ艦船模型用のウェザリングマスターです。「サビ」とか書いてあるけど気にしない
ポイントになるのは色相環で反対の位置にある色、つまり補色をアクセントとして入れると全体が引き締まる事です。
複数の色で表面の色相も変化させます
これもスノーとかススとか気にしない、ホワイトとブラックで更に表情を付けます
最後にメタリック系のウェザリングマスターを使用します
もともとの基本塗装状態と比べてみましょう
もちろん、この私の手法だけが正解ではありませんし、タカラジェンヌのメイクを参考にするのが必ず正解というわけではありません。スターウォーズのヨーダの言葉を思い出しましょう
おまえの周りにあり、
おまえやわしや木や岩のあらゆる間にあるフォースを感じねばならん。
あの大地と戦闘機の間にもフォースはある
スター・ウォーズ 帝国の逆襲より
いろいろなものに模型つくりのヒントはありますし、逆に模型の手法がメイクに生かせる事もあるかもしれません。