タミヤの新製品1/35 38(t)を入手しました。
名作のマーダーⅢから待つこと十余年、待望のキットです。キット自体は既に部分連結式に変更されたマーダーⅢをベースに新規パーツを追加というものです。
まだ組んでいませんが、そもそものマーダーⅢがとんでもなく凄いキットだったので、今見てもワクワクする出来です。リベット最高!(笑)
モールドのキレなど、ランナー状態でも楽しめます。
さて、この(t)とはなんぞや?というのはミリタリーファンには比較的有名な話で、別に重量が38トンあるとかではなく、(t)とはチェコの頭文字です。
ひょっとしたらチェコ絡みのイベントがあるかもしれないので、前知識としていろいろと語っておこうと。
この38(t)はチェコ国防軍の戦車として開発されたのですが、チェコがナチスドイツに併合されたためドイツの戦車となりました。この戦車は第二次世界大戦初期の戦車としては最優秀の部類でロンメルの第7機甲師団をはじめ、フランス、ポーランド、バルカン方面などの主力となりました。
チェコってのはもともと武器や鉄鋼の製造では昔から定評あるんですね、日本の戦艦「三笠」もチェコ鋼が使われています。他にもシュコダ(スコダ)やブルーノなどでチェコは大変有名です。
第二次大戦後の1948年に共産主義政権が発足(チェコの共産化は1945年より後で、戦後しばらくはソ連寄り中立位)したときに、「あの」38(t)や機関銃を作った国が東側になってしまったという衝撃からNATOが成立します。
そう思うと、チェコ人にとっての38(t)は、どのような存在なのでしょう。
ドイツに匹敵する戦車を作り出したという誇り?
ドイツに併合されたという苦い記憶?
自分たちの戦車を使って戦火を広げたナチスへの怒り?
自分たちの戦車がナチスに使われたという屈辱?